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国際野球情報局 vol.11

~世界のスコアブックから~


皆さんはじめまして。ベースボールブリッジ期待の大型新人のRIOです。(笑)

野球はここ十数年で本当にたくさんの世界大会が注目されるようになりましたね。
日本代表が初めてオールプロで臨んだアテネ五輪を境に北京五輪や3回のWBC、そして昨年秋に行われたWBSCプレミア12

テレビで野球の世界大会を毎年のように見る機会が増えてきたことで、今までとは比較にならないほど他国の野球に触れるきっかけが増えたように感じます。

私もそんな中でなんとなく試合を見てペナントとは一味違う、国の威信をかけて闘う劇的な試合の数々に心を動かされ、これらの国際大会に興味を持つようになりました。


熱量の違いはあれ、当ブログにたどり着いてくださった皆様は似たような感じで国際大会に興味を持ったという人も多いのではないかと思います。




・・・さてそんな私からは、私の中で印象に残っている国際試合について紹介していきます。
第1回は2013年WBCの試合で特に心に刻まれた日本の試合から。


2013年3月2日 WBC A組ゲーム1日本 VS ブラジル (福岡ヤフオク!ドーム)

日本   001 100 030 R5 H7 E1
ブラジル 100 110 000 R3 H9 E0


日本:田中、杉内、〇攝津、能見、(S)牧田 - 相川、阿部
ブラ:フェルナンデス、ゴウベイア、●仲尾次、コンドウ、ノリス - フランサ




2013年WBCで日本のベストバウトを挙げるなら、多くの人は9回2死から追いついた台湾戦を選ぶ人が多いと思います。しかし私にとってはこの試合も台湾戦と同じくらいナイスゲームとして印象に残っているのです。


試合を振り返る前にまずは第3回にして初出場となったブラジル代表についての紹介を。第2回までは大会側で選ばれた16カ国によって行われていたWBCですが、この3回大会からは予選が導入されました。


第2回大会の1次リーグ最下位だった国4カ国と、新たに参加する12カ国の計16チームが4つのグループに分かれて各組1位の4か国が本大会に進む方式でブラジルは、その新規参入国として選出。
パナマ、コロンビア、ニカラグアと同組となり本戦出場を目指すこととなりました。

戦前の下馬評は4チーム中4番手。パナママリアーノ・リベラ(元NY)を始め、数多くのメジャーリーガーを送り出してきた野球大国でこの大会のホスト国。
コロンビアニカラグアもメジャーで活躍してきた選手を輩出してきた国であり、ブラジルの本戦突破は非常に厳しいと見られていました。

ところが、蓋を開けてみるとブラジルは2度もパナマを破る快挙で見事優勝。
松元ユウイチ主将(元ヤクルト)を中心にまとまったチームが日本行きの切符を手にしたのでした。

それでは試合を振り返ってみましょう。


スターティングメンバー
先攻 日本
1.遊 坂本(巨人)
2.指 角中(ロッテ)
3.左 内川(ソフトバンク)
4.右 糸井(オリックス)
5.一 稲葉(日ハム)
6.中 長野(巨人) 
7.二 鳥谷(阪神)
8.捕 阿部(巨人)
9.三 松田(ソフトバンク)
投手 田中(楽天)



後攻 ブラジル
1.中 オルランド(ロイヤルズ傘下)
2.二 ブリン(マリナーズ傘下)
3.三 レジナット(レイズ傘下)
4.一 松元ユウイチ(ヤクルト)
5.指 佐藤二朗(ヤマハ)
6.左 マガリャンエス(元ヤマハ)
7.右 ムニス(元ロッテ)
8.捕 フランサ(かずさマジック)
9.二 奥田ペドロ(マリナーズ傘下)
投手 フェルナンデス(ヤクルト)





日本は楽天の田中将大、ブラジルはヤクルトのラファエル・フェルナンデスという両NPB投手の投げ合いでスタート。

田中はこの年レギュラーシーズンで24勝0敗という驚異的な成績を残しますが、この大会中は今ひとつ精細を欠いていましたね。
一方フェルナンデスは前の年に、プロ初白星を記録したものの9試合登板で防御率7.11。
日本人の多くは圧勝を予想したことと思います。


ところが先制したのはブラジルでした。
先頭のオルランドがセカンド内野安打で出塁しその際の鳥谷の悪送球の間に二進。
1死3塁となった後、3番レジナットに三遊間を抜かれ1点を失います。

格下相手に先手を許した日本は初戦の緊張感からかフェルナンデスを打ちあぐねます。


3回に糸井のライト前タイムリーヒットで同点に追いつくものの逆転とまではいかず。
フェルナンデスは3回で降板。2安打4四球出しながらなんとか1点で凌ぎました。

ブラジルは4回からアストロズの1Aでプレーしていた2番手ゴウベイア
日本は1死から松田のレフト前ヒットで1,3塁のチャンスを作ると坂本の犠飛で2-1と勝ち越します。
これで安泰かと思ったその裏、3回から登板していた2番手杉内が先頭のレジナットにレフトオーバーの2塁打を許すと、1死後に元ヤクルトの佐藤二朗がセンター前に同点タイムリー。

ブラジルも食らいつき主導権を日本に渡しません。


5回の日本は三者凡退に終わりその裏。日本は3番手に摂津を投入。
1死後オルランドがセーフティーバントを試みてこれが内野安打。
更に盗塁を成功させてチャンスを作ります。
摂津はブリンを三振にとって2死になるもののまたも3番レジナットが大仕事。
左中間を破るタイムリーツーベースを放ち3-2と勝ち越し。1Aクラスの弱冠22歳の大活躍に日本中が度肝を抜かれた瞬間だったんじゃないでしょうか。
一緒に見ていた私の友人は彼をメジャーリーガーだと勘違いしていましたね。(笑)


こうして勝ち越しに成功したブラジルは、6回もゴウベイアが3人で抑えます。
そして7回からは3番手仲尾次オスカル(白鴎大)がマウンドへ。
社会人野球の強豪Hondaを経て後にカープへ入団することとなる彼の前に日本は松田、坂本が連続三振を取られて三者凡退。
いよいよ敗色ムードも漂う展開に。


一方で摂津も6,7回は立ち直って三者凡退で抑え、3-2のまま8回に突入。日本は先頭の内川が追い込まれながらも変化球に上手く合わせてレフト前ヒットで出塁。
続く4番糸井に山本監督はバントを指示し、1死2塁。日
本はここで無安打だった稲葉に変えて代打井端。井端は見事に結果に答えライト前同点タイムリー!



ついに日本が同点に追いつきます。
台湾戦の活躍が印象的過ぎて霞んでしまっていますが、この試合でも重要な活躍を見せていましたね。


・・・ここでブラジルは投手交代。4番手はアメリカの大学でプレーしていた日系人ケズレイ・コンドウ

かわりっぱな長野が内野安打で出塁、鳥谷は四球を選んで一死満塁に。ここで日本は相川に変えて代打阿部。
初球を捉えて打球はセンター前へ!しかしこれをセカンドのブリンが飛びついて好捕!?
・・・かと思われましたが打球を弾いてしまいその間にランナーがホームイン。
日本は辛くも勝ち越しに成功します。更に続く松田がセンター前タイムリーを放ちダメ押し。


5-3と日本がリードして8回は能見がマウンドへ。3者凡退に抑えます。
9回表は前の回途中からマウンドへ上がったブラジル5番手ノリスの前に日本も3者凡退。
そして9回裏日本はクローザーとしてアンダーハンド牧田を投入。
1死からヒットを打たれるも後続を打ち取り試合終了。日本はなんとか勝利をものにし白星発進で大会をスタートしました。


この試合の最大の見所はやはりブラジルチームの大健闘だったと思います
確かに日本チームは固くなっていたし、本来の実力を出しきれた試合とは言えませんでしたが、ブラジルが高いモチベーションでこの試合に臨んだ結果とも言えます。


日本とブラジルは野球での繋がりが深く、日系選手も多くいます。
この試合に出場していた奥田ペドロもかつては本庄一高に留学し、甲子園で活躍していましたね。
日系人なくしてはブラジル野球の発展も無かったことでしょう。
いわばブラジル代表にとって日本野球は、ルーツでもあり特別な存在なのです。


日本、キューバの2強と言われ、2次リーグ突破は安泰と言われたこのグループを盛り上げてくれたチームは間違いなくブラジルでした。そんな背景も含めて、私にとって印象に残っている試合なのです。


あの試合から3年。ブラジル野球は着実に成長を続けています。
1番打者と日本をかき回したルランドは昨年30歳にしてついにメジャーデビュー
ロイヤルズの一員として1年間メジャーに帯同し、86試合に出場し、打率.249 本塁打7本27打点とまずまずの活躍。
チームのワールドチャンピオンに貢献し、ブラジル人史上初のMLBチャンピオンリング所持選手になりました。

日本の野球ファンに忘れられない印象を残したレジナットは3Aにまで昇格。
あと少しでメジャーに手が届きそうなところまで来ています。近い将来田中将大との再戦が見たいですね。

他にもブラジル代表のエースでキューバ戦に先発し、4回までキューバを無失点に抑えたリエンゾは2013年にホワイトソックスでメジャーデビューし、ブラジル人初勝利を記録。
現在はイチローと同じマーリンズに所属しています。

ブラジル代表は今年9月に行われるWBC予選で再び本戦を目指すことになります。
再びあの舞台に戻ってくることを私は期待せずにはいられません。
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Author:baseball-bridge
野球があまり盛んではない国々(野球マイナー諸国)への野球用具の送付や啓発イベントの開催、その他様々なプロジェクトの実施を通じて野球競技の国際的普及とメジャースポーツ化を目指すNPO法人です。現在新メンバーを鋭意募集中です。参加希望の方はrecruit@baseball-bridge.orgまで!!

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